寒くなってくると厚手の服が増え、乾きにくいので衣類乾燥機を使う機会も多くなります。特にニットなどは、乾燥機から出すとサイズが縮んでいるというトラブルも……。
なぜ乾燥機で縮んでしまうの?
乾燥機は、洗濯物に熱い風を当てることで乾かす仕組みになっています。熱に弱い素材の衣類は、高温のせいで繊維が縮んでしまうことに。乾燥のし過ぎで、干からびたような状態になっても繊維が縮みます。
また、乾燥機の回転によって衣類に圧力がかかったり、摩擦が起きて繊維がつぶれると縮みやすくなります。
縮みやすい衣類と素材は?
乾燥機を使うときはそもそも使用がOKか、また適切な乾燥温度などを洗濯タグで必ずチェックしましょう。こんな衣類は、特に乾燥機で縮みやすいといわれています。
■ニットなど、目の粗い衣類
■ブラウスなど、薄く繊細な衣類
■表面にプリント加工や刺繍がある衣類
衣類の素材としては、綿や麻、セーターなどに使われるウール、シルクなどの天然素材は縮みやすい性質があります。また、レーヨンやナイロン・ポリウレタン・アクリルなどの化学繊維、クレープやちりめんなど表面に凹凸があるものも、特に注意が必要です。
縮みにくい乾燥機の使い方
縮みが心配な衣類は、乾燥機にかける時間を短くしましょう。早めに出して形を整え、ハンガーにかけたり平干しで乾かします。乾燥機の中に、衣類をぎゅうぎゅうに詰めこまないことも大切です。
乾燥機で縮んでしまった衣類を、完全に元に戻すのは難しいこと。でも、ある程度であれば縮みを解消する方法もあります。
もう一度水分を与える
縮んだ衣類を広げ、霧吹きやスチームアイロンなどで全体に水分を与えて湿らせます。衣類を軽く引っ張りながら、元のサイズに近づけるように形を整えて日陰に干しましょう。
水に濡れると膨らむ性質のある綿素材は、もう一度普通に洗濯をして身丈の方向に少し引っ張り、吊り干しして自然乾燥させてみて。
リンスや柔軟剤につけ置き
ニットの場合は、つけ置きする方法がオススメです。
(1)バケツや洗面器に、衣類がつかるくらいの水かぬるま湯を入れる。
(2)シリコンが含まれるリンスやトリートメント、または柔軟剤を1~2プッシュ入れてよく溶かす。
(3)縮んだニットを入れ、30分ほどつけ置きする。
(4)手で押して水分を切るか、洗濯機で1分ほど脱水する。
(5)やさしく手で伸ばして形を整え、日陰で平干しする。
縮みが気になる衣類は、浴室暖房乾燥機があれば使うのもひとつの方法。直接温風の当たらないところに吊り下げるか、浴槽のふたの上に衣類を広げて干すことで縮みを防ぎやすくなります。