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入社2年目
僕の忘れられない
仕事がはじまった

九州カンパニー
営業部 久留米支店 久留米営業所 K社員 2019年6月入社

地域の社会インフラを支える仕事に魅力を感じ、アストモスリテイリングに入社。趣味はダーツでプロの資格を持つ腕前。「お客様に寄り添い、安心を届けるサービスを提供していきます」

入社から約1年、任された初の大仕事

「K君、任せたぞ」
営業所長の一言で、そのプロジェクトは始まった。
全30世帯のアパートのLPガスをアストモスリテイリングに切り替えるという、入社2年目の私にとっては初めて経験する大型案件だ。
「このプロジェクトを通じて、ステップアップして欲しい」という期待を背中に感じながら、強い意気込みをもって取り掛かった。

 アストモスリテイリングに入社して約1年。
私は久留米市内で約1000軒の一般家庭のお客様を担当し、ガス機器の販売や保安点検、集金などを行っている。
当社で扱う「LPガス」は、給湯・調理・空調など、くらしに不可欠なエネルギーの一つ。ガスを通じて安全で快適な生活を確実に提供するのが私たちの使命だ。お客様から「ガスコンロの火がつかない」といったトラブルの連絡があった際は、お客様の悩みを一刻も早く解決することも大切なミッションである。

「物を売るのではなく、人に好かれる人に」という営業所長の言葉を胸に、エネルギーサービスのプロとして、日々、久留米の街を駆け回っている。そんななか、アストモスリテイリングの地域密着サービスとトラブル時の迅速対応が買われ、今年の春、アパートの管理会社から当社へのガス切り替えの依頼があった。私は戸建て物件の切り替えは何度も行ってきたが、アパートのようなまとまった物件は初めての経験だった。不安もあったが、この大仕事を任される信頼に応えたいとの思いでプロジェクトを引き受けた。

住民の方々にお会いするのも一苦労

 プロジェクト開始早々、壁にぶつかった。
アパートのガス切り替えには、住居者全世帯の「同意書」が必要になる。つまり今回は30世帯から同意をいただかなければならない。それだけでも大変だが、その物件は学生アパートで、未成年の方も住んでいたのだ。居住者が未成年の場合、本人と保護者、両者から同意を得なければならず、想像以上に根気のいる案件だと気づかされた。

 まずは一軒一軒に赴くも、実家に帰省していたり、バイトやサークルで生活が不規則だったりしていて、なかなか本人に会えなかった。電話連絡もしていたが、知らない相手の番号ということもあり、電話に出てもらえないケースがほとんど。…もどかしい日々が続いた。

 そんな折、営業所のカフェスペースで休憩中に同僚とこのプロジェクトの話題になった。素直に現状を話すと、彼は自分のことのように相談に乗ってくれた。二人で話すとリフレッシュでき、色々な考えが浮かんでくる。中でも、
「アパートの管理会社の人に連絡をしてもらったらどう?」という同僚のアイデアは大当たりだった。
 その後、管理会社に協力いただき、ガス切り替えの事前案内をしてもらうことで、学生と連絡が取れるようになっていった。同僚にはアイデアのお礼に久留米ラーメンを奢ることになったが、彼のアドバイスで状況が好転したのだった。

お客様に安心していただくために

 約束を取り付けるのに想定外の難関があったが、最も大切なのはお客様にお会いする時だ。普段は契約済のご家庭がメインの訪問先のため、「ガスの点検ですよね?どうぞ」とすんなり出迎えられるが、このプロジェクトでは違った。
 アパートを訪問し、インターホンを鳴らすと、学生さんの多くは不安そうな顔をドアの隙間から覗かせる。親元を離れた一人暮らしに、友人でも先輩でもない訪問者。さらに、用件はガスの供給会社の切り替えという人生初の内容となれば、戸惑うのは当然だ。

「こんにちは。アストモスリテイリングのKです」
丁寧な言葉遣いと、何より笑顔。そして自らの身分と訪問の目的を簡潔にわかりやすく伝える。基本的なことだが、初対面で関係を築くには誠実な態度が第一だ。ガス提供会社が変わるとだけ聞いても、詳細はよくわからないだろう。
 工事は必要?料金は上がるの?使い勝手や機能に差は?そもそも変えるメリットは?そうした疑問や不安に先回りして、一つずつサービスについて説明していく。もちろん、理解度も懸念点もお客様ごとに違うため、小まめに質問を挟みながらコミュニケーションを重ねる。

 そうして話していると、私の母校に通う学生さんだと判明することもあった。地元で働いているとこういう奇遇はよくあるのだ。
「あの先生はまだいるんですか?」
「学食ではチキン南蛮が美味しいですよね」
そんな他愛のない話題で盛り上がることも。自分とは世代や生き方の異なる方々と出会えるのも、この仕事が好きな理由だ。

「万一ガスが点かなくなっても、24時間いつでも対応できますので、ご安心ください」
最後にそう告げる頃には、ドア越しの曇った顔に晴れ間が差し込み、笑顔を返してもらえるようになる。
同意書に捺された判子は期待と信頼の証。こうした出会いを繰り返すたびに、少しずつ同意書が集まっていった。

周囲からのサポートに背中を押され

 一方、私は1000軒ある既存のお客様の対応にも追われていた。
「顔色悪いけど大丈夫?」
初めての大型案件との並行業務で、周囲から心配の声も。そんな様子を見ていた営業所長が動いた。
「K君が不在中に連絡があった時は、お客様のご都合を聞いて、時間を調整していこう」
「K君が過密スケジュールだったら、アポを代行するなど、バックアップしていこう」と、営業所のメンバーに声をかけ、私へのサポート体制を整えてくれたのだ。

 おかげでいつも以上に協力を得やすくなり、
「お客様への訪問を代わりにお願いしてもいいですか?」と、気兼ねなく依頼できるようになった。さらに朝礼では、全メンバーにスケジュールを共有し、業務をシェア。自分の担当エリアを越えて、皆で私を手伝ってくれた。
「これだけ助けてもらっているんだ。必ず成功させよう」
周囲のサポートが気持ちの面でも支えになり、プロジェクトの終盤でも集中力を切らさず、推進することができた。

プロジェクトの成功、そして新たな決意

 今年の9月末。
無事全30世帯の同意書をいただくことができ、その後のガス切り替え作業や点検作業などを経て、プロジェクトは成功に終わった。

「世帯数が多いアパートでも戸建てでも大切なことは変わらない。お客様一人ひとりの要望や悩みに寄り添うこと。そして、不安を取り除き、納得と安心を届けることだ」それが、この街に安全で快適なくらしを提供する私の使命だと改めて感じた。

 そして、思いを同じくする仲間が私の周りにはいる。普段から気に掛けてくれる方は多いが、今回の件でより一層、周囲のメンバーの頼もしさを痛感した。感謝すると同時に、新しい仲間が加わったら、私も支援を惜しまない先輩になろうと、新たな目標ができた。

「今回のプロジェクトを通じて、K君は大きく成長した。任せて本当に良かった」営業所長はそう言って喜んでくれた。

 エネルギーに携わる私たちの仕事は、日々の困りごとの解決から災害時の緊急対応まで幅広く、そして必要不可欠だ。そんな社会インフラとしての使命を全うするためには、まだまだ私も成長しなくては。ここの仲間とならそれができるはずだ。
 そんなことを考えながら、今日も私はこの街に車を走らせる。

あしたも
誰かの暮らしを
灯していく

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