塩は料理の味をつけるだけでなく、下ごしらえにも欠かせないもの。「塩をする」というひと手間で、なぜ食材がおいしくなるのか理由を知って、お料理上手になりましょう。
魚の臭みを取ってうまみを凝縮
料理の前に魚に塩を振っておくと、浸透圧で水分が出てきます。水分と一緒に魚のニオイが抜けるなど、塩でおいしくなる効果がたくさん!
■生臭さがなくなり、上品な味わいになる。
■余分な水分が抜けてうまみが凝縮される。
■身がしまって崩れにくくなる。
■たれに漬ける料理では、味がしみこみやすくなる。など
塩を振って出てきた水分は、臭みがあるので軽く拭き取るか、水洗いしてから料理します。塩は、高い位置からムラなく振るようにしましょう。
塩焼きを上手に作るには
フライパンで焼くと、魚の臭みが戻りやすく水っぽい焼き上がりに。余分な脂や水分を落としながらふっくら焼ける「魚焼きグリル」がオススメです。
下ごしらえに塩を使うとおいしくなりますが、塩分の摂りすぎにはご注意を。魚なら水分と一緒に拭き取ったり、野菜やパスタはゆでこぼすなどして塩分量を抑えましょう。
肉のうまみを逃さない
肉の表面に塩を振って焼くと、表面のたんぱく質が早く固まって膜ができます。その膜によっておいしい肉汁が流れ出してしまうのを防ぎ、うまみ十分に焼き上がります。
塩を振ってから時間が経つと肉汁が流れてしまうので、焼く直前に振るのがコツです。
野菜を色鮮やかにゆでる
野菜をゆでるときは、たっぷりの湯に1~2%の塩を入れると、野菜の余計な水分が抜けておいしさが引き立ちます、ゆでた後に氷水に取るなどの場合は、海水のような塩分(3%程度)でもOK。青菜などは、塩の作用で野菜に含まれる色素が安定して、色鮮やかにゆで上がります。
パスタをアルデンテにする
パスタに含まれているでんぷんは、ゆでていくうちに柔らかくなっていきます。塩を入れるとその速度が遅くなり、表面はモチモチして、中は適度にコシのある「アルデンテ」ができやすくなります。